空白は薔薇で埋めて
近づいてくる足音に、なおも私は驚きで動けないままだ。
「なんでここにいるって・・・」
「大学のない日の希美のいる場所なんて、家か花屋だろ。家はチャイム鳴らしていなかったから、消去法でここ。」
当たり前のように言ってくる航平にますます混乱する。
「・・・何の用?こんなお天気のいい日には先輩とデートでもしたらいいのに。」
「だから違うって!とりあえず話を聞け!」
電話の時よりは冷静なので、話ぐらいは聞こうという気持ちになった。
「で、どんな言い訳なの?」
「言い訳することなんかねぇよ。そもそも俺、浮気なんてしてねぇし。」
「は?」
思わず声が出る。この期に及んでまだ・・・
「だーかーらー、サークルのみんなに手伝ってもらって、希美へのサプライズの準備を進めてたの!」
「ッ!?」
告げられた言葉に衝撃を受ける。クッソこれじゃサプライズできねぇじゃねえか。ブツブツ呟いている航平。だけど私はまだ理解が追いつかない。
「・・・先輩と妙にベタベタしてたのは?」
「あの先輩は誰に対してもあんな感じだろ。てか知ってるだろ。」
・・・よくよく思い返せばそうだった気がする。
「・・・変な日にプレゼント渡してくるのは?」
「普通の日とか、記念日とかでも、俺の研究のせいでろくに一緒にいられないだろ?だからそれの埋め合わせっつーか・・・」
「・・・先輩に浮気してるの?」
「してねーよ、って何度も言おうとしてんのにきかねぇもんな。お前。」
ことごとく返される返答。これはつまり、
「・・・全部私の勘違い?」
「そういうこと。」
・・・やってしまった。疑って話を聞かなかった挙句勘違い。
「ご、ごめんなさい」
「いや、こっちも疑われる要素作りまくってたし。」
まあ、誤解も解けたところで、と、航平は後ろに回してた手を前に出す。その手に握られていたのは・・・
「希美、俺と、結婚して欲しい。」
差し出された真っ赤な薔薇の花束。
「う、そ・・・」
「こんなとこで嘘つくかよ。ていうか、プロポーズするためにサプライズしようとしてたんだ。希美の好きな薔薇で、な?」
そうだったんだ・・・。差し出された薔薇を見つめる。そして視線を航平に移す。
「喜んで!」
「なんでここにいるって・・・」
「大学のない日の希美のいる場所なんて、家か花屋だろ。家はチャイム鳴らしていなかったから、消去法でここ。」
当たり前のように言ってくる航平にますます混乱する。
「・・・何の用?こんなお天気のいい日には先輩とデートでもしたらいいのに。」
「だから違うって!とりあえず話を聞け!」
電話の時よりは冷静なので、話ぐらいは聞こうという気持ちになった。
「で、どんな言い訳なの?」
「言い訳することなんかねぇよ。そもそも俺、浮気なんてしてねぇし。」
「は?」
思わず声が出る。この期に及んでまだ・・・
「だーかーらー、サークルのみんなに手伝ってもらって、希美へのサプライズの準備を進めてたの!」
「ッ!?」
告げられた言葉に衝撃を受ける。クッソこれじゃサプライズできねぇじゃねえか。ブツブツ呟いている航平。だけど私はまだ理解が追いつかない。
「・・・先輩と妙にベタベタしてたのは?」
「あの先輩は誰に対してもあんな感じだろ。てか知ってるだろ。」
・・・よくよく思い返せばそうだった気がする。
「・・・変な日にプレゼント渡してくるのは?」
「普通の日とか、記念日とかでも、俺の研究のせいでろくに一緒にいられないだろ?だからそれの埋め合わせっつーか・・・」
「・・・先輩に浮気してるの?」
「してねーよ、って何度も言おうとしてんのにきかねぇもんな。お前。」
ことごとく返される返答。これはつまり、
「・・・全部私の勘違い?」
「そういうこと。」
・・・やってしまった。疑って話を聞かなかった挙句勘違い。
「ご、ごめんなさい」
「いや、こっちも疑われる要素作りまくってたし。」
まあ、誤解も解けたところで、と、航平は後ろに回してた手を前に出す。その手に握られていたのは・・・
「希美、俺と、結婚して欲しい。」
差し出された真っ赤な薔薇の花束。
「う、そ・・・」
「こんなとこで嘘つくかよ。ていうか、プロポーズするためにサプライズしようとしてたんだ。希美の好きな薔薇で、な?」
そうだったんだ・・・。差し出された薔薇を見つめる。そして視線を航平に移す。
「喜んで!」