空白は薔薇で埋めて
もらった花束を抱えて家に帰る。リビングについたところでふと一輪挿しに目を向けた。今日、航平が私を見つけられたのは、私が花を、薔薇を好きだったからだ。

まるで、薔薇が私たちの間にできた空白を埋めてくれたみたいに。

さて、そんな奇跡でまた戻れた。この幸せはもう逃さないようにしないと。私は一輪挿しから目を離し、航平にメールを打った。

「今日は本当にありがとう。大好きだよ。」
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