君からのヘッドフォン
「あ、栞帆」

「あ、津田くん」


私はフェンスの近くに駆け寄る。


「テニスやってるの本当だったんだな」


そう言ってくしゃっと笑う。

部活帰りだろうか、ジャージを着ていて少し汗も流れている様子。


「嘘だと思ってたの?」

「いーや、嘘だとは思ってなかったよ?
ただ、見たことないから信じられなくてさ」


鼻の汗を拭きながらそんなことを言う津田くん。


「今から練習?」

「うん、そうなの」

「大変だな、日差しも強くなってくるだろうに」

「まーね、午後の方が集まりいいんだよ」
< 131 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop