君からのヘッドフォン
「和久からいいよ?」

「…言っとくけど、あんま上手くないよ?」

「気にしないよ?私も自分がどんなもんだったか、覚えてないし」


和久はそんな前置きをして、歌い出す。

選曲はまさかの私がよく聞くアニソンで。


「その曲、知ってるんだね」

「あぁ、歌手が好きでさ。かっこよくない?」

「めっちゃわかるっ!」


にっこり笑った和久にしっかり撃ち抜かれた。

そして、私の番が回ってくる。

とりあえず…、1番聞く曲…。

そう思って選曲して、最後まで歌い切る。


「…栞帆ってさ、もしかしてめちゃくちゃ歌上手い?」

「…どうなんだろ?」

「いや、まぁ、この画面がその証拠なんだけどさ…。
うぅん…俺歌ったのクソ恥ずかしいかも」
< 140 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop