君からのヘッドフォン
「そんな気にしないで?下手くそじゃないんだし、ね?」


少し落ち込んだ和久は、それでも最後まで歌い続けていた。


それから、恐ろしく早いスピードで時間が流れていって。

それとともに、ゆっくり、私たちの距離も近づいていった。




中1の冬。初めて、男の子にチョコというものを渡した。

中2の春。初めて、男の子に誕生日プレゼントをもらった。

中2の夏。初めて、大会へ出場する彼を応援しにいった。

中2の冬。初めて、男の子の誕生日をお祝いした。




そして、

3年に上がった春。

私たちの学年で、みんながざわつくような噂が流れた。
< 141 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop