君からのヘッドフォン
『あの津田和久は、深井栞帆のことが好きらしい』と、そんなやつ。





…なんとなく、そう思ってた。

そんな気がしてた。

自意識過剰って言われたらそこまでだけど、でも、そんな気がしてた。

だから、この噂が流れた時、これはもう時間の問題なんだろうってそう思ってた。


そんな時だった。

夏休みに入る前日。

なぜか一日中ある授業に少し不満を抱いていた時。


「なぁ栞帆、今日、放課後…ちょっといいか?」

「い、いいけど…」


来た。

そう思った。
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