君からのヘッドフォン
昼休みに言われたそれが頭の中を離れなくて、なんども何度もループして。

気づいたら、時間が過ぎていて。


放課後。

教室で、2人になるまでずっと、自分の席で頬杖をついて、窓からグラウンドを見下ろしていた。

サッカー部が走ってる。

…和久は行かなくていいのだろうか。


「栞帆」


私に向けられる声に振り返る。

気づいたら、私のすぐそばに来ていて。

不思議と鼓動が早くなったりとか、顔が熱くなったりとか、そういうのはなかった。
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