君からのヘッドフォン
…あぁ、良かった。
返事言わなくて良かった。
付き合って欲しいって、言わなくて良かった。
和久に視線を向けると、向こうもそれに気づいたのか、大きく瞳が揺らいだ。
私は淡く微笑んで、涙を流して。
その場を走り去った。
和久の声が聞こえた。「栞帆っ」と大きく受付に響いたその声はきっと注目を浴びていたと思う。
私はそのまま、走った。
長い間、ずっと。
外は真っ暗だった。
月明かりしかなかった。
気づいたら、海の側、防波堤の上に座っていた。
ここまでどうやってきたのかは全然わからない。
ただ、キラキラ光る海を見ていた。
返事言わなくて良かった。
付き合って欲しいって、言わなくて良かった。
和久に視線を向けると、向こうもそれに気づいたのか、大きく瞳が揺らいだ。
私は淡く微笑んで、涙を流して。
その場を走り去った。
和久の声が聞こえた。「栞帆っ」と大きく受付に響いたその声はきっと注目を浴びていたと思う。
私はそのまま、走った。
長い間、ずっと。
外は真っ暗だった。
月明かりしかなかった。
気づいたら、海の側、防波堤の上に座っていた。
ここまでどうやってきたのかは全然わからない。
ただ、キラキラ光る海を見ていた。