君からのヘッドフォン
「栞帆っ」


それでも、まだ、私を探していくれていた人がいた。


「…わ、く」

「降りてこい、栞帆のことだからなんもしねぇだろうけど…不安になるだろ」


その声を聞いても、私は動けなかった。

…ダメなんだ、好きになっちゃ。ダメだったんだ。



和久は諦めたのか私の隣に座った。

そのあと、何分間が空いた。

もしかしたら、1時間くらいたっていたかもしれない。

先に口を開いたのは和久だった。


「…異母兄弟って、ことだよな」

「…ん、そうだね」
< 152 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop