君からのヘッドフォン
「ごめん、な。俺、知らなくて」

「…そんな、の、私も、だよ…。せっかく、せっかくっ!

好きって言ってもらえたのにっ、なのに…こんなのないよ…っ」


たった1日で溜まりきってしまった何かが決壊する。

涙が止まらない。叫びも、何もかも。


「私…ずっと好きだった。出会った時からずっと。

和久に話しかけてもらえるようになって、近くに居られるようになって、告白されて、ずっと、ずっと夢みたいだった。

…夢だった。兄妹だから惹かれるのは当たり前なんだよ…。

偶然でも、運命でもなくて…ただの必然で…。


…和久、好きだよ…っ」
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