君からのヘッドフォン
あぁもう…、私ってば最低だ。

こんなに、和久のこと奪ってしまってる。


私がファーストキスなのと同じように、和久もファーストキスだったらいいな、なんて思ってしまっている。


大人のキスをした。

長い間、唇が離れることはなくて、息が苦しい。

私は和久のシャツを握った。


暗闇に、銀に光る糸を置き去りにして私たちの唇は離れた。


「ごめん…っ、ごめん、なさい…っ」

「栞帆」

「私…っ、私は…っ」

「栞帆」

「和久に甘えてばっかで…、でもそうしていたいくらい、和久のことが…っ」

「栞帆」
< 157 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop