嘘は必ずバレるから
それから数日後


私の前には稜がいた


「なんだ、思ったより元気そうだな」


稜が来たことに驚いてポカーンとあほ面を晒してしまった


というか、なんだか今の言い方傷つくな〜


「久しぶり。今日はどうしたの?」


「ん?まぁ、特に用事はないんだけど」


私は稜の言葉にドキッとした。


私にただ会いに来てくれたってこと?


「······俺さ。今恋人いるって言っただろ?」



ふと、稜が話し始めた。



私はえ、と思ったが顔に出さないように頷く



「俺、その子大事なんだ。だから····もうここに来るのはやめるわ」


「······え?」


「幼なじみの所に行ってるって周りのヤツうるせぇし

その子もすごい不安がるからさ。

それに、ここつまんねぇしよ。ただ俺だけが話してんの、つまんねぇ。

お前、まだ歩けねぇんだろ?それじゃ、どこも行けねぇしいった所で意味ねぇしな。

んじゃあ、それだけ」


私は驚きと怒りと悲しさで何も言えず、頷くことも出来なかった


「······そ、うだね。ごめんね、そうだよね、稜には未来があるからね、私に付き合わせちゃってごめんね

ここ、ほんとに何もすることないからつまんないもんね

今までありがとう、もう来なくて大丈夫だよ」


私はやっとのことで笑顔をつくる


「まぁ、一応幼なじみだし、死ぬ前には来るから言えよ。」


「······え?」


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