この空の果てで







「てめえ、昨日はなんで来なかったんだよ」



一瞬飛んだ意識が戻って来る。



薄く目を開けると、アップでエリの顔がある。



……屋上?……ああそうか、わたし、今3人に囲まれているんだ。



「調子に乗んなよっ……!」



またビンタが飛んでくる。



わたし、キリストじゃないんだから何やってんの。



馬鹿みたいに倫理で習ったキリストのことを思い出した。



「右の頬を殴られたら、左の頬を差し出せ」なんて。



そんなに都合よく生きられる人なんていないし。



「なんだよ、なんだよ、こいつ!」



「止めとこ、エリ。

まだいい方法はたくさんあるから」



苦笑いをするアイ。



止めてくれればいいのに。



へらへらして、エリにいつまでもくっついて、馬鹿だ。



……あー最悪。早く帰りたかったのに。



せっかくの放課後にこうやって囲まれるのは初めてだ。



何時になったら帰れるのか分からない。




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