この空の果てで
「待てよ!
ごめん、本当に俺の八つ当たり」
後ろからきつく抱きしめられる。
「怖い、離して!」
「ごめん、本当に俺が悪かった。
疲れていて」
こんなに恐怖を感じたことは今までなかった。
殺気立っているし、目が怖いし、何よりわたしを縛り付けようとしている感じがする。
ぞっとしたし、わたしが分からなくなりそうだった。
「……馬鹿にしないで」
振りほどいて学校を飛び出した。
どうしよう、どうしよう。
何がいけなかったんだろう、いけなかったんだろう。
高嶺の花のナツキと付き合ったこと自体がいけなかったの?
わたしが触れられることを拒んだのがいけなかったの?
走って、走って、走って、やっと家に着いた。
「ただいま」
「走ってきたの?
珍しいわね、運動なんて」
いつもはむかつくお母さんの呑気さがしみる。
誰にも言えるわけがない。
部屋に入ると、少し冷静になることが出来た。