卒業式の祈り
軟派な彼が、全然想像できなかったから。

「笑うなよ、サラだっていつまでもこんな堅苦しい男は嫌だろ?」

「ううん、私は今のままの三井くんがいいな」

クスクス笑う私に照れた顔をしていたね。

結局あなたは、こんな風に、私の緊張を一気にほぐしてくれたんだ。

同じ大学のサークルで楽しそうに笑っている私達を想像したら、テストで普段の3倍くらいの力を発揮できたような気がしたよ。


いつだって、

三井くんは、私の喜びの全てで、

私の悲しみの全てだった。


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