犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
今日は青木と武部さんの結婚式だ。
4月の異動で福岡に転勤になった青木は、向こうでバリバリ仕事をしながら、武部さんとの遠距離恋愛をしっかりしていた。
忙しいなか、月に最低でも1回は東京に来て、武部さんと会っていた青木のことはかなり尊敬する。
この前、やっと武部さんにプロポーズして彼女はこれから仕事を辞めて福岡について行くらしい。
花嫁控え室から出て、「美和、綺麗だったね〜♡」なんてうっとり発言する結菜に、
お前が着たらもっと綺麗になるだろ?なんて心で思っていると、
「まぁ〜♡もりやちゃん、綺麗ね〜!!」
なんて先輩の柳原さんと白川さんが着物姿で結菜に話しかけてきた。
「柳原さん!白川さん!着物なんですね!
めちゃくちゃ似合ってます〜!」
女子同士の褒めあいってめんどくさくねぇのかな?
なんて思いながら、そのやり取りをぼーっと見つめていると、結菜がいきなり「えっ!?」と声を上げた。
何事かよ。と思っていると、
「それって...?」
と白川さんの和柄のがま口ポーチを指さしていた。
「実は...」
と、白川さんが声を発そうとしたと共に、
「ごめん、お待たせ。美月さん」
と現れたのは三宅だった。


