弟くんの逆転


そうだ、つい忘れそうになっちゃうけど…私、奈保くんに告白されたんだ。

今まで『弟くん』だったときが長すぎて、まだまだ実家湧かないけど、……キスまでされちゃったし。


「…ぜ、善処します……」

「そうして、梓ちゃん」


恥ずかしそうにする奈保くんを見て、そんな奈保くんも可愛いって思うのと同時に、キスもハグも余裕そうなのに、褒められただけで照れてしまう奈保くんが愛しくなった。


「なにニコニコしてんの。可愛いんですけど」

「かわっ…!?」

「照れてんのも可愛い。梓ちゃん、本当に他の男の前でそんな顔しないで。したら、キスよりもっとすごいことしちゃうかも」

「え……!?」


奈保くんに言われたせいで、『キスよりもっとすごいこと』を想像してしまい、顔が熱くなる。




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