3度目に、君を好きになったとき

「確か僕の誕生日のときに。でも2年以上前のことだから、忘れてしまっても仕方ないよ」

「ごめんなさい……私」


適当に話を合わせることもできたけど、先輩に嘘をつきたくなかった。


「こちらこそごめん。昔の話を持ち出したりして」

「いいえ。私最近……何だか忘れっぽいみたいで」


言い訳を口にすることが虚しくて、ただうつむいてしまう。


「今日のことは、忘れないでもらえると嬉しいな」


落ち込む私へ、先輩は全然気にしていない風に冗談ぽく笑ってくれた。



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