3度目に、君を好きになったとき

もう少し一緒にいたい……。


夕暮れに染まる先輩との帰り道。
欲深い思いが顔を出す。

偶然とはいえ、今この瞬間、先輩のことを独り占めしているだけでも充分幸せなはずなのに。


「今日は、ありがとうございました」

「僕も、一緒に行ってくれて嬉しかったよ。コーヒーも美味しかったし、また行こう」


身長差のある先輩を見上げると、柔らかく微笑まれて、照れくささに目をそらす。


『自分が誘ったから』と言って、結局先輩がケーキを奢ってくれて。何だか今日は先輩からいただいてばかりだ。

部活前にホワイトデーのお返しまでもらっているというのに。



「春休み、どこに行きたい?」


信号待ちのときにそう聞かれ、思い出す。

そういえば、先輩と絵の題材を探しに行く約束をしていたのだった。
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