3度目に、君を好きになったとき
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side 蓮
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やっぱり、忘れられていたか。
彼女に気づかれないよう、控えめに溜め息をつく。
中学のときに一緒に食べたチーズケーキのことも。
甘いものはそれほど得意ではなく、ブラックのコーヒーがないと食べられないことも。
全て、彼女の記憶には残されていないようだ。
彼女にとって自分は、どうでもいい存在らしい。
特別、記憶に残すほどではないエキストラと似た存在。
そのまま諦めることも考えたことはあるが、忘れられているなら、また自分の存在を植えつければいい。
今はまだ、そばにいられるだけで満足だから。
それでも不思議なのは……僕の絵を好きだと言ってくれること。
それは今も、中学のときも変わらない。
あとは──、卒業間際だった僕からの告白を断ったにも関わらず、以前と同じように接してくれること。