3度目に、君を好きになったとき

「白坂さんと一緒なら……動物園とかどう?」


私と一緒なら、って。何だか勘違いをしてしまいそうな言い方だ。


「いいですね。動物のスケッチ、一度してみたかったんです」

「なんだったら千尋を誘ってもいいし、ね」

「……あ。はい、そうですね」


(やっぱり、二人きりではないんだ……)


ほんの少しがっかりしながら、私は無理に笑顔を作った。
でもある意味、誰か他に人がいた方が緊張しなくていいかと思い直す。



「柏木先輩って。彼女さんとまだ続いているのかと思ってました」


付き合っているのか本当に終わっているのか、その事実をはっきりさせたくて、さりげなく話題を変える。


今ならまだ、深い傷を負わなくて済む気がする。

憧れが恋に変わったあとだったら、心が壊れてきっと立ち直れない。


「……ずっと前に別れてるよ」


夕陽を映した瞳に何も感情を乗せず、静かに先輩は答えた。




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