異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 ここまで長く水に浸かっており、体力が消耗していることももちろん把握していたが、それは少年にしても同様だ。
 ならば、俺の水泳指導によって泳ぎが達者なマリーナの方が、客観的に判断して適任といえる。
 しかしなにより、俺には、マリーナならば大丈夫、そんな絶対的な信頼があった。
 俺はこれまで、マリーナのここ一番での気骨と、そこで発揮される底力を幾度となく目にしている。
 ……マリーナならば、やり遂げてくれる!
「ライ、任せて!! 一番うしろで、ちゃんと全員が川縁に上がるのを見守っちゃうんだから!」
 マリーナは腰紐をハラリと解き捨てると、満面の笑みでうなずいた。
 その目にもう、涙はなかった。

 川岸には、いつの間にかアイーダ、自治団の面々が到着してこちらを見守っていた。
「姫様ー!!」
「旦那っ! がんばってくだせぇ!」
「って、おい! お前ら、そこのロープをこっちからも引くど!!」
 すると、柳にくくったロープに気づいた自治団員が声をあげた。
「おめぇら、がんばれやー!!」
「姫様ー! あともう少しですわっ!!」


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