異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
けれど扉の外から俺がどんなに呼びかけてみても、中から扉が開かれる気配はない。
俺の力をもってすれば、扉を蹴破ることは造作もない。
けれど万が一、マリーナが扉の近くにいれば、怪我を負わせてしまう可能性もある。そんなリスクは、絶対に取るわけにはいかなかった。
「マリーナっ……!」
無情にも、俺がいくら声を張っても、マリーナからの反応は得られなかった。固く拳を握り込み、唇を噛みしめる。
ならばほかからの潜入を考えるしかないのだが、厨房は王宮の地下一階に位置しており、当然外とつながる窓などもない。
なにか手は、ないのか!?
俺はグッとまぶたをつむり、視界を閉ざす。そうして脳内で、王宮内の構造を必死で巡らせた。
……いや、ある! 窓はないが、厨房内につながるルートは、別にある!!
脳裏に閃いた有力なルートの存在に、閉じていた目をカッと見開く。
しかも、あそこからならば、万に一つもマリーナを傷つけることもない!
俺は厨房から踵を返すと、外に通じる階段を駆け上った。