異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
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……誰?
誰かが私を呼んでいる? だけど、遠くから聞こえる呼び声は、なんだかくぐもっていて不明瞭。
……そう、まるで扉を隔てて向う側から聞こえるかのように。
しばらく聞こえていた呼び声は、やがてやんだ。
……ぐぅ、……すぴぃ。
「ぐぅ……、すぴッッ! ……ブッ、ブェッ、ブェェエックショ—ッッ!!」
……フガッ!?
特大のくしゃみと、その後の鼻づまりで、跳び起きた。
な、なになに!?
寝起きの頭は、混乱していた。跳び起きた勢いのまま、私はブンブンと周囲を見回す。
……あぁ、そっか。
すぐに、ここが立てこもり中の厨房であること、私が泣き疲れて寝入ってしまったことが知れた。
夜の厨房は少し、肌寒かった。
だけど不思議なもので、いっぱい食べて、いっぱい泣いて、ついでにちょこっと眠ったら、あんなに胸にとぐろを巻いていた真っ黒な感情が、灰色くらいにその色を薄くしていた。