異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「はい」
なんだろう? この日は珍しく、私の運動指導を終えたライがアイーダを呼び止めた。
……まぁ、私には関係ないか。
ライとアイーダを横目に、私は早々に自室に向かった。足はもう棒のようで、一刻もはやく寝転がりたいというのが本音だ。
そうして自室に転がり込むと、私はお行儀悪くソファにバフンッと飛び込んで両足を投げ出した。
「あ〜、今日もよく歩いた〜」
そのままいつも通り、夕食の声がかかるまでうつらうつらと寝入った。夜のひと勝負 に際し、体力の温存は必至なのだ。
現在、草木も眠る丑三つ時。もう少し噛み砕くと、ちょっとの夕食もとっくに消化しきった、腹ペコの 午前二時だ。
「むふっ、むふふふふっ。ハムとチーズをくすねて、バゲットに挟んだら最高〜。でもなぁ、バゲットなら保存用のコンビーフやマグロのオイル漬けをのっけてもおいしいんだよね〜、へへっ。……じゅるり」
想像だけで、口の中がすでにおいしい。
私は足取り軽く、厨房に向かった。