墜落的トキシック
「……?」
「暇だし、手伝ってやるよ」
うそ。
思わず息をのんだ。
私のことを手伝うために、わざわざ来てくれたってこと?
それってどういう風の吹き回し─────と感心しかけて、はたと止まる。
そうだ。
元はというと佐和くんのせいなんだから、責任を取るのもあたりまえのこと。
「生意気……っ!」
頬を膨らませて激昂した私を、どうでもよさそうな顔でしばし眺めたあと、佐和くんは冷静に口を開いた。
「さっさと終わらせよ。ほら、ホース持って」
どうやら、ブラシで磨くのは佐和くんが替わってくれるらしい。
どうして私が指示に従う側なんだろう……と不服に思いつつも素直にホースを手に取った。
私が水を撒いて、佐和くんがごしごしと擦って汚れを落としていく。
佐和くんのおかげ、というのが癪に障るけれど、やっぱり一人よりも二人での方がはるかに効率がいい。
そしてしばらくの間、黙々と作業を進めていると、ふと佐和くんが口を開いた。
「誰かに手伝ってもらおうとかいう発想はなかったわけ?」
「……?」
「例えば、遠藤さんとか」
「……だって、迷惑でしょ」
佐和くんは誰彼構わずに手伝わせるかもしれないけれど。
……化学準備室のときみたいに。
私は佐和くんみたいに図々しくないもん。