墜落的トキシック
「だったら、仁科とか」
「っ、そんなわがまま言えないよ……っ!」
これは、私が言いつけられた仕事なんだもん。
ハルに迷惑なんて、かけられない。
「ふうん」
自分からふっかけてきた話題にもかかわらず、なんともテキトーな相槌を打った佐和くん。
そのあとはまた沈黙が訪れて、水が流れる音とブラシで擦る音だけがやけに大きく聞こえた。
ひととおり磨き終えると、プールは見違えるように綺麗になった。
最後に、洗い流すために水圧を強めるよう佐和くんに言われて。
何も考えずに思いっきり蛇口をひねる、と。
「っ、ひゃあっ!」
ざああ、とまるで雨みたいに上から冷たい水が降ってきた。
ホースの口を無意識に上向けていたみたい。
一瞬のうちにびしょ濡れになった私を一瞥して、佐和くんは呆れたように口を開いた。
「やっぱり、馬鹿じゃん」
うう。
今回ばかりは自分でも馬鹿なことをやらかした自覚があるため、言い返せない。