墜落的トキシック
プリントを重ねて折って、ホッチキスでとじる。今度のHRでクラスの皆に配る資料だ。
侑吏くんと肩を並べて、単調な作業を繰り返しているうちに。
─────ガッチャン、ガチャンッ
荒っぽく粗雑になってくる私の手つき。
派手な音を立てるホッチキスにしかめっ面をした侑吏くんは。
「……花乃のが怒ってんじゃん」
「怒ってないよ」
だって、私に怒る理由なんてないし。
本当に怒ってなんかない、けれど。
「侑吏くんといると私はむかむかするの!」
「あっそ」
素っ気ない口調、
不機嫌な表情、優しくない。嫌い。
嫌いだから、こんなにむかむかするの。
「……侑吏くんなんか」
“嫌い”
聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた。
教室の中はまた、しん、と静まり返って。
ホッチキスの音だけがガチャン、ガチャン、とやけに耳につく。
相変わらず私と侑吏くんの共同作業はテンポが悪い。
……でも。
でも、きっと、あのときよりはマシだ。
4月、侑吏くんに無理やり化学室の片付けを手伝わされたときよりは。
あのときは、息が合わない、どころじゃなかったもん。
おかしいなあ。
あれから、何だかんだ侑吏くんと関わり続けて今に至る。そんなはずじゃなかったのに。
腐れ縁、ってこういうことを言うのかもしれない、なんて。
「……なあ」
静寂をやぶったのは侑吏くんだった。