墜落的トキシック
うつむいた私の頭上に降りかかった、だるそうな声。顔を上げれば、その持ち主がこちらを睨んでいる。
……侑吏くん。
視線が絡んで、侑吏くんが長く息を吐き出した。
それで、私もまた息をついて。
まるで、ため息の応酬。
教室いっぱいに鬱々とした空気が充満して、湿気も相まって部屋中がどんよりとする。
「いい加減ため息つくのやめろよ」
しばらくして、侑吏くんが忌々しそうにそう言って。
でも、そう言った語尾のうしろに盛大なため息がくっついていたから。
「侑吏くんこそ!」
「あ? おまえが先だろ」
「先とか後とか関係ないもん!」
「あっそ、相変わらずめんどくせーな」
吐き捨てながら言葉通り面倒そうな顔をしている。
そんな侑吏くんに反抗心がむくむくと湧いてくるけれど。
その代わりに後を絶たなかったはずのため息が、なくなった。
不思議と、綺麗さっぱり。