墜落的トキシック
.
.



「……はあ」



やっぱり、どこか違和感。
最近のハルの様子、ちょっと変だ。


はっきりと指摘できないことがもどかしい。


怒っているのでも、不機嫌なわけでもないと思う。強いて言うならば焦っている、に近いかもしれない。



────でも、何に?




そこまで考えて、もう一度大きくため息をついた。




いつでも一番近くにいるはずなのに、途方もなく遠く感じる。
心の距離って目には見えないけれど、ともすれば実際の距離よりもはっきりと感じるかもしれない。


離れていくことに“焦っている”。
焦っているのは、ハルじゃなく私だ。



繋ぎとめておきたいと願うほどに、ハルのことがわからなくなっていくの。




『……って言ったらどうする?』




結局、あれは何だったんだろう。


冗談? 本当に?
たしかにハルの冗談はいつもわかりにくいけれど、でも。


でも、あれは、絶対冗談なんかじゃなかった。とっさに取り繕った嘘くらいは、さすがに見抜ける。



気づいていて、気づかないふりをして笑ったんだ。




ただし、そこまで。
私にはハルの真意はわからない。



わからないこと、ばかりだ。






「ため息、うるせーんだけど」







< 165 / 323 >

この作品をシェア

pagetop