墜落的トキシック
盗み聞きだ、絶対。
この前の先生との会話、聞かれてたんだ。
……侑吏くんのせいで、嫌なことを思い出す羽目になった。
古典と現代文。
私の苦手教科ツートップ。
中間テストで見るも無残な点数だったのも、今度の期末テストで赤点だと夏休みに補講が入るのも、どちらも事実だ。
そして、6月ももう下旬。
そろそろテスト期間に突入するというわけで。
今度こそ “期末テスト” が原因のため息。深く、息をついた。
そんな私に追いうちをかけるみたいに侑吏くんは言葉を重ねる。
「ただでさえ委員あんのに、補講入ったら本格的に夏休み返上だな」
「う……それは困る」
切実に、だ。
今日も今日とて、こうして侑吏くんとふたりで昼休みを過ごしているのは修学旅行実行委員の仕事が日に日に増えていく一方だから。
バスや新幹線の座席やホテルの部屋割り決め、レクリエーションや自主研修の内容の提案書などなど。
二人でこなせるとは到底思えない仕事量。しかも、担任はあのニッセン。生徒主体と言えば聞こえはいいけれど、実質はただの放任主義である。要するに、全く頼りにならないのだ。
秋に迫った修学旅行の準備の大詰めは、夏休み中だそう。今でさえ十分大変なのに、さらに大変、らしい。
そこに、もし補講もプラスされるとなると……。
ぞわっと悪寒が背筋を走る。うっ、想像すらしたくない。
とにかく高校二年の夏が、委員と補講で終わるなんてまっぴらごめんだ。
……でも、まあ。