墜落的トキシック
「あのな、そろそろ俺だっておまえの考えそうなことくらい想像つく」
「そ……そっか」
そうだよね。
お互いのことを何にも知らなかったのはもうずっと前の話だ。
私がゆっくり侑吏くんのことを理解してきたのと同じで、侑吏くんだって私のこと。
まだ100パーセントには程遠いけれど、それでもじわじわと。
体温が跳ね上がる。
身体中が火照っているような気がして。
「あ、暑いね」
クーラーが中途半端にしか効いていない教室はただでさえ暑いのに、もっと暑くなったように感じる。
溶けそうだ。
「そうか?また熱中症じゃねーの」
自己管理ちゃんとしろよ、となぜか叱られたのでムキになる。
暑いねって言ってるんだから普通に共感してくれればいいのに!
「大丈夫です!水分はちゃんと摂ってる!」
そういえば熱中症で思い出したけれど、ひねった足の怪我は湿布を貼っているうちに無事に治ったよ。
しばらくの間はひょこひょこ歩きをするしかなかったけれど、その程度で済んだのだから、やっぱり大した怪我じゃなかったみたい。