墜落的トキシック
おずおずと指差したその先は、佐和くんが締めているネクタイ。
私の指を追って佐和くんも自分の胸元に視線を落とした。
指摘したものの、そんなはずはないともう一度確認するけれど、やっぱり。
私たちの制服のネクタイは、男女とも紺地にピンクとグレーでストライプの模様が入った指定のもの。
そこは共通だから遠目で見るとよくわからないけれど、実は男女で微妙に柄の入り方が違うんだ。
近くで見ないとわからないけれど、でも、確実に違うの。
だからこそ、私たちの学校にはカップルでネクタイを交換して付けていると長続きする……なんてジンクスもあったりする。
そして、佐和くんの胸元のネクタイは何回確認しても女の子のものだ。間違いない。
さっき感じた違和感ってこのことだったのかも。
……でもどうして、佐和くんが女の子用のネクタイ?
もしかして。
「佐和くんって実は彼女いるの?」
麻美情報で佐和くんには彼女はいないらしいと聞いていたけれど、間違っていたのかも、なんて思ったのも束の間。
「彼女?まさか、いないけど」
ばっさり瞬殺。