墜落的トキシック
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後にも先にもハル以外の人の前であれほど泣いたのはあの一回きり。



どうしてあのとき私に声をかけたのか、と尋ねた私に偶然だと答えた麻美は、

「でも強いて言えば、」と茶目っ気たっぷりに前置いて。




「ぶっちゃけ花乃の顔がタイプだったんだよねー。あと、花乃ってちょっとした有名人だったからさ、半分好奇心もあったかも」




顔がタイプ、はひとまず聞き流すことにする。




「……前から聞きたかったんだけど」

「なあに?」

「私って、そんなに有名、なの?」




自覚はこれっぽちもない。

むしろ、学内では地味目に過ごしているつもりだった。




「あははっ!ほんと花乃ってそういうのにうといよねえ。顔とまではいかないかもしれないけど、名前くらいならほとんどの人に知れ渡ってると思うよ」




思わず目を見開いた。
……うそ、そんなに?




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