墜落的トキシック
あったかかった。
そして、柔らかかった。
人肌に触れて、
それに助長されて、また目頭がどっと熱をあげる。
涙腺がばかになりそう。
よしよし、と
とことん子ども扱いされること数分。
そのあと、思い出したように彼女は口を開いて。
『私、遠藤麻美。麻美でいいよ。私は花乃って呼ぶから』
嫌だったら言って、とそう言った彼女に首を振った。
と同時に、名乗っていなかったのにさらりと私の名前を口にした彼女に疑問を抱いたけれど。
とんとん、と子供をあやすように私の背中をたたく彼女の手のひらの体温とリズムが心地よくて、小さな疑問なんてどうでもよくなる。
ズズズッと鼻をすすりながら顔をうずめた私に。
『ちょっと。鼻水はやめてよね!』
面倒くさそうに、でもやっぱり心地よい声で彼女はそう言って
それからくくく、と喉の奥でわらったんだ。
────それが私と麻美のはじまりの話。