スパークリング・ハニー

まるで少女マンガのヒロインみたい。

そして、みなみちゃんがヒロインならば、ヒーローはまちがいなく篠宮くんだ。



毎日一緒に下校しているふたり。
その仲睦まじい様子はさながらカップルだ。


付き合ってはいないみたいだけれど、くっつくのも時間の問題だろうってうわさをよく耳にするくらいだもの。



そんなふたりは家が近くの幼なじみなんだって。そのままの設定でドラマが一本撮れそうだ。



「そんなにお似合いかなー、あのふたり」



首を傾げるこもりんに、思わず声を上げて反論する。



「何言ってるの!あんなに絵になる組み合わせはないよっ!?」

「そうかなー」

「そうだようっ」



もう一度、篠宮くんたちの方に視線を向ける。
夕日の柔らかいオレンジがまるで映画の演出みたい。



決してこちらを振り向いたりはしない後ろ姿を見つめながら、サイダーの缶を握る手にきゅっと力を込めた。



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