スパークリング・ハニー
「光莉もなにか気づいたことあったら遠慮なく教えてよ」ってこもりんは言ってくれたけれど、どうやら私の出る幕はなさそう。
そんなことを考えつつ、グラウンドに目を向ける。
選手たちは休むことなく動き回っている。
今は、部員をいくつかのチームに分けてゲーム形式の実践的な練習を行っているようだ。
こもりんの手も、さっきから休むことなく動いている。地面を蹴る音、ボールが跳ねる音、それらに混じってシャッシャとシャーペンが紙に擦れる音が聞こえてくる。
そんな中、私は。
「……っ」
やっぱり、目が惹きつけられる。
その先は篠宮くん。焦げ茶の髪は相変わらずハチミツ色に輝いていた。
テクニカルな足さばきは、群を抜いていて、ゲーム運びが上手。あの夏の日、試合を見に行ったときと同じことを思う。
だけど。
「あれ……?」
「光莉、どうかした?」
何かが引っかかって、思わず声を漏らす。
振り向いたこもりんに、感じた違和感を言葉にした。
「篠宮くんのプレーって、あんな感じだったっけ……」
「うん?朝陽? いつも通りだと思うけど」