スパークリング・ハニー
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「────、瑞沢?」

「はっ、篠宮くん!」

「どしたの、ぼーっとして」



あれから数日後。
篠宮くんと隣の席はやっぱり落ち着かなくて、それでも、ちょっとずつ慣れてきた。


現在、英語の授業中。
隣の人とペアワークをするように指示されたのだけど、その最中に、いつの間にか考え事にふけってしまっていたみたいだ。


気を取り直しつつ、篠宮くんの表情をちらりとうかがう。



「え、俺の顔何かついてる?」

「はっ、これは違くて……!いや、何でもないの!」



慌てて首を横に振る。
あきらかに挙動不審な私に、篠宮くんは「変なの」ってくすくす笑う。それは、いつも通りの篠宮くんだった。




……嫌だな、私。
無意識に、篠宮くんの屈託のない笑みの、その裏側を探るような真似をしている。



最近、ずっとこうだ。

シャーペンを握る右手、ぎゅっと力がこもる。




『仲良いんですよね?』




ゆんちゃんは篠宮くんと私について、そう思っているみたいだった。私もそうでありたかった。

だけど、今なら迷わず首を横に振る。



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