スパークリング・ハニー



「大丈夫ですか?」

「俺?」

「はい。顔色がちょっと、悪く見えたので……」




彼女は心配そうに首を傾げる。

初対面の相手をこんなふうに気にかけるなんて、お人好しなんだな、と思いつつ。




「や、全然。大丈夫」

「そっか!なら、よかった!」




無意識にだろう、突然はずれた敬語。


ぱああ、と彼女の表情が明るくなる。

その笑顔の眩しさに目を細めた。なんて綺麗な笑顔なんだろう。


この濁りのなさは、透明。




『そうだ、これお返しします』

『あ……、ありがとう』



差し出されたサッカーボールを受け取る。

どうやら、飛ばしたボールを拾ってくれていたようだ。



ボールを手渡して、それで用は済んだはずなのに彼女は去っていくことなく目の前でにこにこ笑っている。

不思議に思っていると彼女がまた、口を開いた。




『サッカー、好きなんですか?』




咄嗟に答えが出てこなかった。
不自然に黙り込んでしまう。




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