スパークリング・ハニー


「瑞沢に会いたかったから」

「えっ」



まっすぐの目で私を射抜く篠宮くん。
そんな篠宮くんの言葉の意味を一瞬考えて、理解すると同時に思わず声をあげた。

瑞沢に会いたかった……?
瑞沢、って。


えええ、私っ?!



ぼんっと体じゅうが火を噴きそうなくらい熱くなる。

だって憧れの篠宮くんにそんなことを言われたら……。



ショートしかけた思考回路であれこれぐるぐる考えていると、篠宮くんは神妙な面持ちで口を開いた。




「ほんと、ごめん」




頭を下げられて、きょとんとする。




「……?」

「体育の紙、書いて出してくれたんだよな」

「えっ、どうして知ってるのっ?」




驚いて、瞬きをくり返す。

篠宮くんには何も言っていないはず、なのに。



「今日提出だったって、さっき急に思い出してさ。先生に謝りに行ったら、瑞沢が出して帰ったって言うから」



どうやら戦犯は先生だったらしい。

もう、わざわざ私の名前まで出してくれなくてもいいのに。

こっそりひっそり手助けする影武者的存在になってみたかったのに、と心の中でちょっとむくれてみる。



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