スパークリング・ハニー
「……どうして」
ただただびっくりしている私に、ひかちゃんは。
「みなみちゃんは太陽が似合うもんね! 夏の日差しに負けず劣らず、というか……太陽と並べても遜色ないというか……、ヒロインとうか!」
ともかく、そういう感じなの!
と何気なくひかちゃんが放った言葉に息をのんだ。
固まっているあいだに、ひかちゃんは「急いで描かなきゃ」なんて焦った様子で絵具を準備している。
その原色のイエローに目が奪われる。
ひまわりの色、太陽をたっぷりと浴びて、その陽の光の方向を向いて咲く花。
「……わたし、」
追いかけてばかりって思ってた。
追いつけない、追いついたと思ってもそこにきみはいない。
1歩先の場所で朝陽も、それからひかちゃんも。太陽をまとっている。
ひかちゃんと朝陽は晴れて付き合うことになって。それは私の望んでいたことで、心の底から嬉しくて。
でも、どこかでまた遠くなったような気がしていた、けれど。
おひさまの花。
私が憧れていたひかちゃんが、これが私だって、迷いもなく言いきった。
────わたし、ちゃんと、追いついていたのかもしれない。
追いかけて、追いかけて、朝陽の横に。
並んでもおかしくないくらいにはなれていたのかもしれない。
……そっか、そうだ。
朝陽は置いていったりなんかしない。
遠くに感じていたのは私だけで、ちゃんと、幼なじみとして横にいたのだ。
今までも、そしてこれからも。