スパークリング・ハニー


危ない……。

それは、その。
変な人に狙われるかもしれない、っていう意味で、だよね。



「大丈夫だよっ。私に限ってそんなこと」


篠宮くんには、みなみちゃんというかわいい幼なじみがいるから、そういった送り迎えには慣れているのかもしれない。


たしかに、みなみちゃんを暗い中ひとりで帰らせるのは、私も気が引ける。



だけど、今は、私だよ?

篠宮くんの心配しているようなことは起こり得ない。


私を狙うひとがいるとしたら、それはそうとうな物好きだ。



「だから、ひとりで────」

「絶対だめ」




大丈夫。
そう口にする前に、篠宮くんが遮った。

心なしか、こわい顔をしている。




「そんなに心配しなくても、私は平気だよっ」

「心配するだろ、ふつうに」



むっ、とした表情。
心配してます、って顔に書いてある。


ほんとうのほんとうに、そう思ってくれているんだ。



「なんでそこまで……」

「なんでって、瑞沢は女の子じゃん」





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