スパークリング・ハニー
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単元のきりのいいところまで進んだころには、外はもう太陽は沈んでいて、外はすっかり暗くなっていた。


今は夏。太陽が高くのぼる季節。

そんなこの時期に日が沈んでいるということは、そうとういい時間になったということだ。


そんなわけで、勉強会はここでお開きに。



篠宮くんのおかげで、いつもより数段集中することができたと思う。

うん、ちょっと賢くなった気分。



満足しつつお店を出て「今日はありがとう!」と篠宮くんにひらひら手を振ってみせると。


篠宮くんは何言ってんの、と言わんばかりの表情を浮かべた。




「家まで送るよ」

「へっ!?」



私を?
家まで、って、私の……?



「いやいやいや!いいよ、そんなの!」

「もう暗いだろ」

「ええっ、さすがにひとりで帰れるよっ!?」



まさか夜道で迷子になることを心配されているのだろうか、と思っての発言だったのだけれど。

篠宮くんはそんな私の言葉に噴き出した。

え、今、そんなに笑うところ?



「そうじゃなくて」

「……?」

「こんな時間に女の子ひとりで帰るなんて、危ないってこと」



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