スパークリング・ハニー
炎天下。
太陽の熱をアスファルトが照りかえして、気温を上げている。
じわりと額に汗がにじんだ。
グラウンドまで向かう道、同じ方向へ向かっていくひともけっこういる。
聞こえてくる会話などから察するに、みんな、私と同じくサッカーの試合を見に行くようだった。
知らない顔ぶればかりで、つくづく私がこの場にはアウェーに思えて、肩身が狭く感じる。ほんとうに来てもよかったのかな。
「あ、光莉!」
グラウンドに到着。
我が校の応援エリアになっているところに向かうと、ようやく見知った顔をいくつか発見した。
クラスメイトの男の子たち。なかでも篠宮くんと仲のいいメンバーが勢揃いしている。
知り合いの姿にほっとする、そんな私に呼びかけたのは。
「こもりんっ」
選手サイドで、マネージャーとしてせかせか動いているこもりんだった。
「応援来てくれてありがとね」
「ううん、来れて嬉しい」
「朝陽に呼ばれたんだって?」
「えと、うん。声かけてもらって……」
そっか、ってにっこり笑ったこもりん。
だけどその手はやっぱり忙しなく動いている。