スパークリング・ハニー


「かわいいなーって思ったよ?」

「全然褒め言葉じゃねー……」


がっくり、うなだれた篠宮くん。
ごめんね、でも、やっぱりかわいいと思っちゃう。

そのタイミングで、風が吹いたのか、草木がガサゴソと音を立てた。


「……っ」



反射的にぎゅう、と篠宮くんの手に力がこもる。



「やっぱ怖え……」

「なにが一番怖い?」

「雰囲気とか、音とか……わりと全部むり、かも」


怖がっている篠宮くんも新鮮だけれど、さすがにちょっと気の毒だ。

うーん、それなら。



「篠宮くん、お話しましょう!」

「えっ」

「お化けもふっ飛ぶくらいの楽しい話をしたら、怖くなるかも!」

「なるほど……」



かたくなっていた表情が少し和らぐ。
うんうん、その調子。



「ええと、篠宮くんの好きな食べ物はなんですか!」

「ふ、インタビュー形式なんだ」



おかしそうに笑った篠宮くん。
そのあとちゃんと質問にも答えてくれる。



「好きな食べ物は、シチューかな」

「クリーム? それともビーフ?」

「どっちも好きだけど、選ぶならビーフ」



ビーフシチューかあ。たしかに美味しいもんね。
心の中のメモにしっかり書き留めておく。

篠宮くんの好きな食べ物はビーフシチューですよっと。



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