スパークリング・ハニー
舗装されていない道を踏みしめる足音のザッザッという音。
先に入っていったみんなが鳴らしているのであろう、カランカランという鈴の音。
闇のなか聞こえてくるその音たちはすこし不気味だ。
“出る” なんて噂がたつのもわかる気がする。
だって、いかにもって感じの雰囲気だもん。
「篠宮くん?」
そういえば、いつもに比べて口数が少ない。
静かな篠宮くんに少し不安になって、顔を覗きこめば。
ひくっ、と篠宮くんの体が揺れて、繋がった手にきゅっと力が入った。
「……?」
ちょっと様子がおかしい……?
ええと、もしかして。
「怖い、の?」
「……うん、実は」
気まずそうに視線をちょっと逸らす。
その横顔が少し引きつっているように見えるのも、気のせいじゃないってことだ。
「ええ、意外……!」
「瑞沢は怖くないの?」
「うーん、こういうのは大丈夫かな」
私の言葉に困ったように笑う篠宮くん。
「瑞沢のこと心配しておきながら、情けないよな」
「そんなことないよ!」
嬉しい、って思ったもん。
それに情けないというよりは、そういう一面もあるんだ、篠宮くんにも怖いものがあるんだって知ることができて嬉しい。