無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「あっ、いや……あれ、わたしって冬花って名前だっけ?」


無駄な足掻きとしてとぼけてみるけど、
事情を知らない樹里がまさか、それにのってくれるわけもなく…。



「はぁ?あんた何ふざけたこと言ってんの。冬花は冬花でしょーが!んじゃ、わたし帰るから。また明日ね」


あっけなく、わたしが鈴本冬花であることがバレてしまった。



おそるおそる先輩の顔を見てみると、
もうそれは、にっこり素敵な笑顔で笑っていらっしゃって。



「へー、冬花ちゃんって帰ったんじゃなかったっけ?」


「やっ、えっとぉ……」



あからさまに目が泳いでしまう。


もうバレてしまったからには仕方ない。
逃げ場はないので、覚悟するしかない。



「あ、あの……!佑都先輩のこと好きなのはわかるんですけど、それでわたしを懲らしめようとかそういうのは違うと思うっていうか……」


「……は?」



「ま、まさか佑都先輩が男の人にまで好かれてるとは思ってなかったといいますか…」

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