無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



帰ったと言っているのにもかかわらず、疑っているのか、いまだに教室の中をキョロキョロ見渡して、わたしを探している。



「ねー、冬花ちゃんってどんな子?」

「さ、さあ…?」



「クラスメイトなのに知らないの?変な子だね」


くっ、痛いところ突いてくるなぁ。



「俺、冬花ちゃんの顔知らないんだよねー。佑都から聞いた話だとめっちゃ性格悪そうな顔してるからすぐわかるって言われたんだけどなあ」


「なっ!別に性格悪いわけじゃ……!」



はっ……、しまったぁぁ……!
つい自分のことだから言い返してしまった。


おそるおそる先輩の顔を見てみれば、先輩はキョトンとした顔をしていた。

これはセーフ……?



かと思えば、わたしの後ろから。



「あれ、冬花じゃん。あんたまだ帰ってなかったの?今日居残りだっけ?」


樹里に声をかけられて、
がっつり名前を呼ばれてしまった。


ガーン……。

これじゃ完全にアウトじゃん…。

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