無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「俺が冬花ちゃんのことで唯一知ってることは木咲くんのことだけだから」
「っ……」
手から伝わってくる熱と、先輩の言葉に体温が徐々に上がっていく。
すると、重なっていただけの手が、
わたしの肩に触れて、そのまま身体ごと先輩のほうに寄せられた。
優しい石けんの匂い……。
「なんでさ、
木咲くんじゃなきゃダメなの?」
「そんなのわたしが聞きたいくらい……です」
嫌いになれるものなら嫌いになって、
他の人を見ることができたら、気持ちはどれほど今より楽になるか……。
「ねー、冬花ちゃんさ」
「な、ん……ですか」
スッと身体を離されて、
わたしの顔を覗き込むように佑都先輩が見てくる。
「俺が、冬花ちゃんのこと
本気だって言ったらどうする?」
ドクッと、心臓が強く音を立てた。