無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「こ、こんなにお菓子買ってどうするんですか」
「これぜんぶ冬花ちゃんにあげようと思って」
「はい?」
「女の子ってお菓子好きでしょ?」
「……ま、まあ、嫌いな子はいないと思いますけど。……だからってなんでこんなに買ってるんですか。買いすぎですよ」
「だってさー、冬花ちゃん何が好きかわかんないから」
ソファに座るわたしに少しだけ身体を寄せながらそう言う先輩。
「俺、冬花ちゃんのことなんも知らないんだよ。好きなものも嫌いなものも」
「……そ、そんなの知ってどうするんですか」
ソファについていた手の上に、
そっと佑都先輩の手が重なった。
「どうもしないよ。
ただ、知りたいって思うから」
「っ、なんですかそれ……」
変なの。
この前から先輩が妙に本気っぽく見えて、
わたしの知っているおちゃらけた先輩はどこかへいってしまった。