無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「こ、こんなにお菓子買ってどうするんですか」


「これぜんぶ冬花ちゃんにあげようと思って」

「はい?」



「女の子ってお菓子好きでしょ?」


「……ま、まあ、嫌いな子はいないと思いますけど。……だからってなんでこんなに買ってるんですか。買いすぎですよ」



「だってさー、冬花ちゃん何が好きかわかんないから」


ソファに座るわたしに少しだけ身体を寄せながらそう言う先輩。



「俺、冬花ちゃんのことなんも知らないんだよ。好きなものも嫌いなものも」


「……そ、そんなの知ってどうするんですか」



ソファについていた手の上に、
そっと佑都先輩の手が重なった。



「どうもしないよ。
ただ、知りたいって思うから」


「っ、なんですかそれ……」


変なの。

この前から先輩が妙に本気っぽく見えて、
わたしの知っているおちゃらけた先輩はどこかへいってしまった。

< 168 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop